1994年5月  伊豆高原アートフェスティバル展『海の宇宙』写真展開催

1995年3月  南伊豆町制施行40周年記念企画で南伊豆町の海フォトドキュメント写真集
         『海の神秘』受注撮影製作

1996年2月  伊豆新聞で写真と文『ぶらり伊豆海遊記』102回連載

1996年5月  伊豆高原駅やまもプラザホールで伊豆高原アートフェスティバル展
         『八幡野の海』写真展開催

1996年8月  南伊豆町企画課製作のマリンスポーツガイド『海は恋人』全写真撮影

1998年3月  かごしま水族館オープンにつけ、生物写真提供及びその撮影

1999年3月  朝日新聞静岡版で写真と文『伊豆を潜る』15回連載

1999年11月 八幡野コミュニティセンターで『海の宇宙』写真展開催

2000年5月  南伊豆町銀の温会館で『海の宇宙』写真展開催

2000年5月  韓国コーエックス水族館オープンにつけ、生物写真提供及びその撮影

2000年7月  第15回海の祭典しずおか咸臨丸体験教室で写真、スライドを使って講演

2000年8月  韓国ソウル富士フォトサロンで『海の宇宙』写真展開催

2001年5月  伊豆新聞で写真と文『伊豆の魚っちんぐ』連載中

2001年11月 韓国プサン水族館オープンにつき、生物写真提供及びその撮影

2002年11月 沖縄海洋博新水族館オープンにつき、 生物写真提供及びその撮影

2003年1月 伊東市振興公社主催 (海の宇宙パート?) 海中写真展開催

2004年3月 伊東市振興公社主催 (海の宇宙パート?) 海中写真展開催 



高松三越デパート写真会場にて

 

ジャックマイヨールとフロリダにて






ソウルの富士フォトサロン写真会場にて




廃棄の土管、愛の巣に
マダコのオスは精子のつまったカプセルをメスの体内こ差し込み交接する
(取材協力・中木マリンセンター)

砂中で生活太陽恋しい?

 穴から姿を現しているのはメスのマダコ。巣穴となっているのは捨てられた土
管だ。土管の上から身を乗りだして三番目の右腕を差し込むオスダコ。その腕先
はほかの腕と異なり吸盤がない。まさに愛をささやき咬接中である。
春から秋にかけてが産卵期で、メスは一回に15万〜20万個の房状をした卵を産
むという。この場合、土管内側に釣り下げるように産卵されるのだろう。そんな
卵は藤の花のようでとても美しい。卵が孵化するまで約一カ月かかるが、メス
は卵に微生物が付かないように新鮮な海水を吹きかける。やがて3ミリほどの子ダ
コが誕生し、メスダコは疲れはてて静かに一生を閉じる。
 もし土管の中で子ダコが生まれたら、「カンダコ(管ダコ)」と呼べるかも
しれない。海の底にはいろんな廃棄物がころがっている。海に物を捨てるなど、
もってのほかだが、意外なことにそんな廃棄物を巧みに利用して暮らす生き物た
ちもいる。そんなたくましい姿に出合ったとき、これも1つの「生きる形」だと
思い撮影を続けている。

(写真と文 水中カメラマン 伊藤勝敏)

身体を砂中に隠し、左右の眼柄を潜望鏡のように伸ばしてあたりをうかがって
いるのはアサヒガニのカップル。
 目玉は背甲より飛び出たように良い柄の先についているのが特徴で、
周囲の観察が便利なつくりになっている。おまけに良虫のトンボのように、
たくさんの角膜や水晶体のある個旧が集まって大きな複眼となる。
砂中に潜り込むときは眼柄が不必要になるので、折りたたみ式のように体に貼り
つく仕組みになっている。
 甲面は小さなトゲにおおわれ二対のハサミ脚は大きくて平たく、攻撃、防御、
捕食、求愛などに使われる。歩脚はいずれも扁平で遊泳脚のように見えるが、
砂潜りのために使われ、姿を隠すときに後ずさりして、砂面を掘る役日をする。
 「カニの横這い」はよく知られるが、アサヒガニは前後に移動し、いざりなが
ら砂底に潜る。彼らの生涯は、砂上にいるより、砂中に潜っている時間の方がど
うみても長そうだ。いくら生活環境にうまくとけ込んだ保身術を身につけている
といっても、大腸のない暮らしでは本当にせつないだろうと思うのである。

(写真と文 水中カメラマン 伊藤勝敏)


巧みな戦略で獲物狙う
ポラを捕食したアオリイカ。失敗するときの方が多い
(取材協力・申木マリンセンター)

滴潮上陸クサフグ産卵
岸辺に打ち上がって放射する個体
初夏になると、産卵のためアオリイカが沿岸に寄ってくる。繁殖期の雌雄の行
動は活発で、エネルギー補給のためひんばんに獲物を狙う。極めて攻撃的な肉食
者で、小魚や小エビ類を好み、ときには共食いもする。
 海中で最も機能的な動物といわれるだけあって、目の良さはよく知られてい
る。動くものに非常に敏感で、約30度の範囲内で立体視ができるので、獲物まで
の距離が測れるという。狙った獲物に何げなく近づくと、ふだんは腕の間に
たたみ込まれている狩猟専用の2本の触腕をカメレオンの舌のように伸ばして、
一瞬のうちに捕らえる。大きな餌はすべての腕でかかえ込むようにし、腕のつけ
根にある口(カラストンビ)で獲物をかみくだいて食べる。
 この触腕には吸盤がついているので獲物を吸い付け、さらに口に運ばれた獲物
は毒のある睡液で麻痺させる。獲物が急におとなしくなってしまうのはこの
咬毒のためである。
 しかし、その生物がどんな巧みな採食戦略を持っていても、すべてが食う、
食われるという相互関係のもとに成り立っている。ちなみに、魚を捕らえるアオリ
イ力も、幼生のときは魚の餌なのだこれが自然のしくみなのである。

写出と文・伊藤勝敏(水中カメラマン)
 伊豆の海ではクサフグの産卵は6月中頃から始まる。大潮の前後の日が多く、
満潮になる時間帯が午後3時から5時ごろで、なおかつ風波の少ない日を狙って
いるようだ。多いときは数百匹の大群が押し寄せ、波打ち際に産卵する。潮が満
ちるのを侍っている集団は、先導する個体について右の方向に泳いだり、また
すぐ左に移動したりする。群形が変化するたび先頭のリーダーが入れ替わる。
やがて力の強いオスが合図するのだろうか、狙ったメスを追尾しかけると、ほ
かのオスたちもいっせいにそのメスに体をくっつけ放岸辺に打ち上がって放射す
そのメスに体をくっつけ放卵をうながす。そんな行為をくり返しているうちに、
っいにタイミングが合えば放精放卵が行われる。産卵が最盛期になると、海水が
白く濁って、前後が見えない状態になってしまう。
 こうしたクサフグの産卵は初夏の風物詩となっているが、自然の浜辺が減少
し、今では限られた海辺でしか観察できなくなった。
護岸工事は私たちが安全で効率のよい生活を求めた法案だが、これから先、海の
生物とどうかかわっていけばよいか真剣に考えなくてはならないときがきている
ように思うのである。

 (写克と文・水中カメラマン伊藤勝敏取材協力・八幡野ダイビングサービス)